KHギャラリー銀座では、このたび展覧会「コシノヒロコ 夏の響き」を開催します。人を清らかな気持ちにさせる植物のエネルギーや水の流れは、コシノにとって繰り返し取り組んできたテーマです。そこには豊かな自然の中にアトリエを構えるコシノの、慈しみに満ちた自然へのまなざしがあります。都会の喧噪から遠く離れて、ゆったりと自然の中に身を置くこと、樹々の移ろいを見つめることは、コシノの創作にとって欠かせない要素となっています。コシノが描く自然には、おのずと敬愛の念が表れています。
本展では、約10年前に描かれた、蓮をモチーフにした大胆な墨の大作や、最新作である樹々と水面を連想させる静謐な油彩画を展示します。自然をテーマにした作品群は、清らかな水の響きのように、静かな風情をもたらします。
また墨と余白、黒と白を中心に描き出される世界は、コシノが制作の初期から影響を受けていた、水墨画や幽玄の美といった、歴史ある東洋の自然観とも繋がります。古いようでいて新しい。神秘的な絵画たちは、観る者を悠久なる美の世界へと誘うことでしょう。
静寂の中に、水のささやき、樹々のざわめきを感じて。外界の暑さを忘れさせる涼やかな響きを、ひとときお楽しみください。
2016年7月25日(月)— 8月24日(水)10:30〜19:00
休廊日:毎週日曜日
夏期休廊:8月6日(土)− 8月14日(日)
《WORK #1166》120cm×120cm 2016